NPO法人会計基準が改正されました。ご対応を!
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2017年12月12日に、NPO法人会計基準が改正されました。以下をよく読んで、ご対応ください(NPO法人会計基準協議会の文章を、茨城NPOセンター・コモンズが一部加筆)。
NPO法人会計基準とは
外部に対する会計報告書の作成指針のことです。ここでいう「外部」とは、みなさんの団体に寄付をする一般市民の方、助成団体、お金を借りる際の借入先、協働事業をする場合はそのパートナーなどが想定されます。
NPO法人は、市民が行う自由な社会貢献活動を支えるためにつくられた法人格です。特定非営利活動促進法(略称NPO法)では、認証制の採用など所轄庁の関与を少なくする代わりに、NPO法人が積極的に情報公開を行い、それを市民がチェックするよう定められています。そのための、正確で比較可能な会計報告書を作成するルールがNPO法人会計基準です。
この基準は、2010年7月20日に公表され、特定非営利活動促進法改正(2012年4月1日施行)に合わせて2011年11月20日に一部改正され、2017年12月12日に最終改正されました。
この基準は、全国各地のNPO支援センターからなるNPO法人会計基準協議会を主体に、会計専門家、学識経験者、助成財団、金融機関など民間の力を結集して策定されました。
この基準の採用は、各法人の任意であり、強制はされません。採用の時期も、実務に無理のないよう、各団体で決めていただいて結構です。ただ、2012年4月1日施行の改正NPO法第27条で、NPO法人が作成する財務諸表は活動計算書・貸借対照表・財産目録の3点セットに改正されています。
詳しくは、NPO法人会計基準協議会のページをご覧ください。
NPO法人会計基準の特徴
- 小さな団体も無理なく採用できるように工夫されています。
- 現物寄付やボランティアなど、NPOに特有な事象を会計に取り込んでいます。
- 収支計算書から活動計算書へと様式が変更されています。
- 費用は、事業費と管理費とに区分されています。
- 注記と呼ばれる書類の役割が大変大きくなっています。
- 複式簿記・発生主義会計を採用しています。
NPO法人会計基準採用のメリット
この会計基準に則った会計報告をすることで、社会からの信頼性が増します。それにより、外部から様々な支援 (会員やボランティア、寄付金・助成金・補助金の獲得など)を調達しやすくなります。会計報告とともに、数字で表現できない情報は事業報告書として開示するなど、 積極的な情報公開が求められます。みなさんの団体の認知度や信頼性が増すことで、必ず支援の輪が広がります。
県内NPO法人の同基準普及率はまだ低い
2014年度財務諸表をもとにした「NPO法人会計基準普及調査」によりますと、県内NPO法人の同基準普及率は、わずか12.3%にとどまりました(全国平均は20.3%)。低水準にとどまっている要因は、同基準特有の書類である注記の作成率が17.7%と伸び悩んでいることが主因です。全国平均の37.0%を大きく下回っています。
注記とは、活動計算書や貸借対照表、財産目録では十分に伝えることのできない重要な会計情報を記載するもので、NPO法人の財務諸表を構成する重要な書類です。例えば、事業別損益の状況、使途等が制約された寄附金等の内訳、固定資産の増減内訳、借入金の増減内訳、役員及びその近親者との取引の内容などの情報を記載することが可能です。記載例はこちらを参照してください。
市民に開かれた民主的組織であるべきNPO法人として、この注記を通じて積極的に情報開示すること、またそのことによって、市民組織であるNPO法人を市民自らが支えることが期待されています。注記がないということは、具体的な財務情報が伝わらず、市民のNPO法人に対する信頼性向上につながりません。
また、「活動計算書の次期繰越正味財産額と貸借対照表の正味財産合計の金額一致」、「貸借対照表の分類」、「貸借対照表の貸借の金額一致」といった、会計の基本原則のいずれかが守られていない法人の割合は16.2%となっており、茨城県に提出されているNPO法人の財務諸表の正確性自体が疑われる状況にあります。
NPO法人会計の勉強会にご参加ください
2018年1月~3月に、茨城県内各地で同基準の改正や、NPO法人会計に関する勉強会を、茨城NPOセンター・コモンズは随時開催します。詳しくはこのウェブサイトで随時ご案内します。ぜひご参加ください。
茨城NPO事務支援センターをご利用ください
会計、経理、決算にお困りではありませんか?日々の活動に忙しいNPOや市民活動団体にとって、会計はどうしても後回しになりがちです。でも、組織運営に課題を抱える団体にとって、一番悩ましいのが、やはり会計。会計が原因となっているトラブルや不祥事も増加しています。
そんなお悩みにお応えするため、茨城NPO事務支援センターが誕生しました。日常の記帳から決算に向けた助言まで、単発の相談対応ではなく総合的に会計事務をサポートします。会計に振り回されず、本来の活動でしっかり成果が出せるように、茨城NPO事務支援センターは伴走支援します。
会計の力を高めて、市民から信頼される組織を目指しましょう。サポートをご希望の団体は、ぜひお問い合わせください。
詳細:< https://www.npocommons.org/topics/jimu-support.html >
今回の基準改正の新旧対照表
こちらのNPO法人会計基準協議会のウェブページをご覧ください。詳細な解説資料もダウンロードできます。
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本件に関するお問い合わせ
認定NPO法人 茨城NPOセンター・コモンズ
事務局長・いばらき未来基金事務局担当 大野 覚
〒310-0031
茨城県水戸市大工町1-2-3 トモスみとビル 4階
みとしんビジネスセンター C-1
☎:029-300-4321
FAX:029-291-8991
eメール:info@npocommons.org
茨城NPOセンター・コモンズは、組織の壁・心の壁を越えて、人がつながり、ともに行動する社会を目指します。