貸借対照表の公告方法に関する定款変更をお忘れなく!

 これまで茨城県やコモンズからも度々ご案内させていただきましたので、既に多くの団体が対応済みと思われますが、茨城県 県民生活環境部 女性活躍・県民協働課(旧県民運動推進室、組織名が4月より変更)のページにもございますとおり、平成28年6月にNPO法が改正されたことを踏まえ、各NPOでの対応が必要となります。
 詳細はこちらのコモンズ作成資料(PDF:141KB)もご覧ください
 NPO法改正の中で、貸借対照表の公告が一番大きな変更点となります。対応方法は上記資料のとおりいくつかありますが、費用をかけないために、かつ情報公開という趣旨からも、多くのNPO法人が電子公告という手法を取られると思います。
対応すべき時期
 ほとんどの団体が3月末決算であり、法人税申告が必要な団体は5月末までに総会を迎える中、臨時総会を開かないのであれば、この5月の総会が、貸借対照表の公告方法を変更する最後のチャンスです。
 2018年4月下旬現在、多くの団体が総会に向けて、理事会を開催し、そこで総会議案として諮る案を検討されていることと思います。もし、貸借対照表の公告方法を変更するのであれば、この機会を決して逃さないよう、ご留意ください。後で事務手続きが大変なことになります。
対応方法
 もちろん、貸借対照表の公告方法を変更しない、というやり方もあります。多くの団体が、現時点での公告方法を官報掲載とされていると思います(定款をご確認ください)。
 もしそのまま定款変更をしない場合、定款に則って法人運営をするのであれば、毎年7万円以上かかると言われる官報での貸借対照表の公告を続けなければならなくなります。
 また、定款変更もしない、かつ官報にも掲載しない、と何もされないままであれば、当然法令違反となります。ですので、ほとんどの団体が、経費削減の観点から、貸借対照表の公告方法を変更するために、定款変更が必要だろうということです。
 定款変更をされる場合の議案ですが、コモンズはこちらの資料(DOC:31KB)のように昨年度の総会で諮りました。これはあくまで一例ですが、ご参考になればと思います。
定款変更後の対応方法
 もし定款変更されましたら、県(または県より権限移譲を受けている自治体のNPO担当課)への定款変更届が当然必要になりますので、ご留意ください。
 書式などは、茨城県のこちらのページからダウンロード可能です。公告方法の変更のための定款変更の場合、軽微な変更として、県の認証は不要で、届け出のみで事足ります。上記のページでは、「(2)定款変更届出時に提出する書類」の書類となりますので、お間違えないようにお願いします。
内閣府のNPO法人情報ポータルで貸借対照表の公告をする場合における対応方法や注意点
 コモンズは内閣府のNPO法人情報ポータルでの貸借対照表の公告を選択しました。なぜなら、上記のように、コストや情報公開の観点の他、「内閣府NPO法⼈ポータルサイトにおける情報の提供の拡⼤」という他のNPO法改正のポイントを踏まえての判断です。
 2017年度の総会で定款変更し、既に2016年度分より貸借対照表を公告しております。ぜひ試しに皆さんもやってみてください。
 同ポータルサイトへの掲載は無料です。ただ、セキュリティが高いため、ログイン方法がかなり複雑となっています。パソコンが不得意な方は、慣れるのに恐らくそれなりの時間を要すると思われます。コモンズもだいぶ苦労しました。このポータルサイトへの掲載を選択された団体は、まず十分使いこなせるようになることがとても大事かと思います。
 また、多くの団体が勘違いされていると予想されますが、所轄庁である県に提出された事業報告書類は、貸借対照表も含めて「閲覧書類等」という同サイトの欄に、自動的にPDFファイルで掲載されます。
 しかし、これは改正NPO法でいう貸借対照表の公告とは認められません。「法人入力情報」欄が別にあり、そちらに各団体がログインし、自らPDFファイルで掲載したことをもって、初めて貸借対照表の公告を同ポータルサイトで行ったと判断されますので、ぜひご留意ください。
最後に

 恐らく、まだ多くの団体が、NPO法改正に伴う、貸借対照表の公告方法を変更する事務手続きに対応していないと思われ、今回このような案内をさせていただきました。各NPO法人で混乱なく、かつ法令を遵守されたかたちで、法改正にご対応いただければ幸いです。
 ご不明、ご不安な点などございましたら、茨城県や県から権限移譲を受けている自治体NPO担当窓口、またはコモンズにご相談ください。電話などでの軽微なご相談でしたら、コモンズでは無料で対応可能ですので、お気軽にご連絡ください。ご入会ももちろん歓迎です
 コモンズは、このようなNPOの事務手続きに関するご相談に対応するほか、「茨城NPO事務支援センター」も運営しております。総会を開催するにあたり、現在多くの団体が会計でお悩みのことと思います。ご予算に応じて支援内容の変更が可能ですので、同センターの利用をぜひご検討ください。
資産変更登記もお忘れなく!

 3月末決算の場合、資産変更登記は6月末までに行わなければなりません(昨年から決算後2か月から3カ月の間に延長されています)。貸借対照表の公告が義務化される前の資産変更登記は、これが最後となります。
 資産変更登記は、前年度から資産金額が1円でも変更になれば、その全てのNPO法人が対象になります。こちらもぜひお忘れなきよう、お願いします。詳しくはこちらの法務局のページをご覧ください
その他参考資料

NPO法人会計基準協議会(2018年4月)「資産総額の登記がなくなって、代わりに貸借対照表の公告が義務化されます」(PDF:511KB)
内閣府 共助社会づくり推進担当(2017年12月)「特定⾮営利活動促進法の⼀部を改正する法律について」(PDF:459KB)
内閣府 共助社会づくり推進担当(2017年12月)「特定⾮営利活動促進法改正のご案内」(PDF:563KB)
内閣府 共助社会づくり推進担当(2017年12月)「平成28年改正法に関するQ&A」(PDF:157KB)

お問い合わせ

認定NPO法人 茨城NPOセンター・コモンズ
 事務局長・いばらき未来基金事務局担当
 大野 覚(オオノ サトシ)
〒310-0022
茨城県水戸市梅香二丁目1番39号 茨城県労働福祉会館2階
電話:029-300-4321  FAX:029-300-4320
eメール:info@npocommons.org

コモンズへのオンライン寄付・会員登録はこちら

茨城NPOセンター・コモンズは、組織の壁・心の壁を越えて、人がつながり、ともに行動する社会を目指します。