多文化共生・災害復興
NPO支援を目的に水戸市で設立されたコモンズがなぜ常総市で多文化共生、災害支援に継続して取り組んでいるか不思議に思われる方もいると思います。その背景をご説明します。
実は、常総市はコモンズの現代表の横田が住んでいる地域です。そこで2回大きな出来事がありました。
一つ目が2008年に起きたリーマンショックでした。
常総市はもともと食品工場などで働く日系ブラジル人の方々が多く住んでいるところでしたが、経済危機により、多くのブラジル人の方が失業しました。
その方々の子供の多くは市内のブラジル学校に通っていましたがそれもできなくなり、地域の公立小中学校に転入してきました。
日本語も英語も通じない子達、子供たちも先生たちも困っていました。
地域で起きた問題に何かできないかと関係者の情報交換の場を開いたら、大人向けの日本語学校のコーディネートを依頼され、県の外国人就労修学サポートセンターの運営を任されることになったのです。
それは3年で終わりましたが、外国ルーツの子の学習支援は継続する必要があると考え民間助成金で継続してきました。
それが今の教育と連携したグローバルサポート事業や、はじめのいっぽ保育園開設につながっています。
空き家を改修したシェアハウスを運営するようになってから、在留資格のことで困っている人と関わることが増え、福祉的な相談対応が増えてきました。
コモンズが以前から生活に困っている方の電話相談事業などを行ってきたので、その経験と、多様な支援機関との繋がりが役立っています。
常総市で空き家改修を7棟も行ってきたのは、2015年9月に常総市が鬼怒川洪水で被災したためです。
学習支援の拠点も水没し被災者の立場になりました。
被災地の地元の団体として、長期的に地域の復興と自主防災に取り組むことにし、その活動の柱が水害で増えた空き家をコミュニティに必要な場として再生し、住居や生活に困っている人が暮らせる地域づくりを進めるという活動です。
私たちは、外国籍の方が多いということも、空き家が多いということも、地域の資源だと思っています。
その資源を生かし、新たな繋がり、事業を作り出すことがコモンズらしい市民発の制度外福祉だと思い実践を続けています。全国で災害が多発しています。
コモンズは、被災地の方々がコミュニティの再建や地域の復興に取り組む際に常総の経験をお伝えする活動もしています。
関連サイト
えんがわハウス
はじめのいっぽ保育園
ピアサポート常総
グローバルセンター
たすけあいセンター「JUNTOS」
茨城NPOセンター・コモンズは、組織の壁・心の壁を越えて、人がつながり、ともに行動する社会を目指します。