寄付者や会員としてNPOにかかわる

 前節で、NPOの活動にとっての寄付者の重要性について触れました。残念ながら、まだNPOへの寄付はあまり多くありません。その理由のひとつに、NPOの情報が県民に届きにくいということがあります。都道府県によってはNPOの活動報告や財務諸表がインターネットで見られるところもありますが、茨城県は残念ながら県庁(県民運動推進室)とNPO法人の認証監督を行っている一部の市町村に行かないと書類が見られない状況です。
 大好き いばらき 県民会議や各地域の市民活動センター、茨城NPOセンター・コモンズのウェブサイトには、地域のNPO情報が登録されたデータベースがあります。また、下記の全国の市民活動ポータルサイトで検索する方法もあります。それらを利用して関心のある分野のNPO団体を探し、その団体のウェブサイトがあれば、情報を得ることができます。独自のサイトを開設しているNPOも一部に限られているのが現状です。NPOのサイトがあるかどうか、またそこに活動報告や決算情報、役員名簿などが掲載されているかどうかが、そのNPOが開かれているというひとつの目安になります。県民から幅広く寄付を集めているNPOの多くは、ウェブ広報に力を入れています。

 さて、NPOの情報を調べて、興味を持ったNPOが見つかったとしたら何ができるでしょうか。 関わり方はいろいろあります。会員になる、寄付をする、ボランティアとして活動に参加する、イベントに参加するなど、NPOによって募集している内容が異なります。いま何を募集しているのか直接問い合わせてみて、自分がしたい、できる、と思ったことをすれば良いのです。

賢い寄付者がNPOの質を高める

 茨城にも637のNPO法人があります(2012年4月30日現在)。その中から、活動に参加できたり、参加はできないが自分たちの想いを託せるNPOを見つけていただきたいと思います。NPOの設立趣旨書や活動計画は、選挙のときのマニュフェストのようなものです。そして寄付はマニュフェストを見て選択し、投票するような営みです。寄付を受けた側は、計画がどこまでできたか会報などで報告し、寄付をした側は、計画に沿って成果が出ているかチェックする必要があります。「寄付して、ハイ終わり」ではないのです。

寄付や支援する団体を選ぶ時の視点(NPOにとって選ばれるためのポイント)

 多くの団体の中から、地域や活動のテーマなどで選んだ後、団体を比較するとしたら、次の4つの視点で見てみると、選びやすいと思います。
・組織の目的と活動の対象が明確
 地域の課題を把握し、具体的に何をいつまでに変えようとしているかがわかること
・組織の目的達成にふさわしい事業内容
 目的達成のための事業が、具体的で特徴を持ち、目標が設定されていること
・独自の事業を実行できる体制があること
 活動実績やメンバーの顔ぶれ、会員数、ボランティアの参加状況がわかること
・どれだけ成果を挙げたかがわかる
 目標に対してどこまで達成できて、何が次の課題かが、支援者にも伝わること

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茨城NPOセンター・コモンズは、組織の壁・心の壁を越えて、人がつながり、ともに行動する社会を目指します。