第1回「茨城県新しい公共推進指針策定検討会/茨城県協働推進マニュアル改定検討会 合同会議」を開催しました!

 1月18日(金)に第1回「茨城県新しい公共推進指針策定検討会/茨城県協働推進マニュアル改定検討会 合同会議」を開催しました。茨城県で新しい公共、協働、市民活動を推進する上での、茨城県としての中長期的な方向性や事業レベルのマニュアルを定める大切な協議の場です。
 3月の発行を目指し指針策定、マニュアル改訂に向けて検討を行っています。議事抄録は作成次第公開していますので、この動きをぜひウォッチし続けてください。

第1回「茨城県新しい公共推進指針策定検討会/茨城県協働推進マニュアル改定検討会 合同会議」議事抄録

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日 時
 平成25年1月18日(金)午後2時~5時
会 場
 茨城県労働福祉会館 5階 第4会議室
出席者

分 野

組織名

役職名

氏 名
(順不同)

有識者
(委員長)
常磐大学 コミュニティ振興学部
ヒューマンサービス学科
教授 池田 幸也
茨城県
茨城県 生活環境部 生活文化課
県民運動推進室
室長補佐 鈴木 紀一
(代理)
茨城県
茨城県 保健福祉部 子ども家庭課 課長 小澤 正哉
茨城県
茨城県 教育庁 生涯学習課 課長 高橋 鉄夫
市町村
笠間市 市民生活部 市民活動課 課長 内桶 克之
NPO等
NPO法人 スマイル・ステーション 代表理事 松浦 幹司
中間支援組織
NPO法人 ひたちNPOセンター・
with you
事務局長 田尻 英美子
中間支援組織
認定NPO法人 茨城NPOセンター・
コモンズ
常務理事・
事務局長
横田 能洋

分 野

組織名

役職名

氏 名
(順不同)

有識者
(委員長)
NPO法人 市民活動情報センター 代表理事 今瀬 政司
茨城県
茨城県 生活環境部 生活文化課
県民運動推進室
室長補佐 鈴木 紀一
市町村
水戸市 市長公室 地域振興課 課長補佐 小林 一仁
NPO等
NPO法人 水戸こどもの劇場 代表理事 森田 多美子
NPO等
NPO法人 あすかユーアイネット 代表理事 宇井 良夫
中間支援組織
認定NPO法人 日本NPOセンター 特別研究員 椎野 修平
中間支援組織
NPO法人 ひたちNPOセンター・
with you
事務局長 田尻 英美子
中間支援組織
認定NPO法人 茨城NPOセンター・
コモンズ
常務理事・
事務局長
横田 能洋

事務局

組織名

役職名

氏 名
(順不同)

認定NPO法人 茨城NPOセンター・
コモンズ
理事・事務局次長
連携と提言部門リーダー
大野 覚
認定NPO法人 茨城NPOセンター・
コモンズ
事務局 青木 高志

司会
 大野(事務局)

協議内容

1. 各検討会の進捗状況の共有
各検討会の概要及び議事抄録をもとに進捗状況を共有した。主な意見は以下のとおり。

  • 今回中間案の概要を決定しなければ、年度内での協働推進マニュアル改訂案策定は難しい。
  • 新しい公共推進指針と協働推進マニュアルの整合性を取ることが重要。

2. 「茨城県新しい公共推進指針」骨子案検討及び基調となる考え方の共有

<委員長の指針骨子案のポイント>

  • 地域課題に対し市民が仲間で取り組み、地域に広げるのを推進するのが指針で、マニュアルは政策課題として制度化・予算化される部分を取り上げるべき。
  • 「新しい公共」や、担い手としての「市民」についての整理が必要。
  • 目指す市民社会像や「自助・公助・共助」について語るべき。
  • 「参加」、「協働」、「自治」が重要なキーワード。
  • 市民と行政のあり方、関わり方の整理が必要。
  • 市民社会を広げるための人・場所・組織・ネットワークについての整理すべき。
  • 茨城の地域特性を加味すべき。
  • 将来の茨城の市民社会づくりの具体策を盛り込むべき。

委員長案が提示された上で、以下のような意見が出た(時系列順ではないことに注意)。

<指針のまとめ方>

  • 指針では「夢」や次世代への明るいメッセージを語ることが必要。100年後を目指し、現在何をすべきか明確に。
  • 目指す市民社会像を語ることが最も重要。
  • なぜ「新しい公共」が必要か、本音でわかりやすく語ることが重要。
  • NPOが目指す方向性を示したい。
  • そもそも「地域」とは何かを明確にすべき。
  • 指針は担い手や組織化の促進を取り上げる。
  • コミュニティが根付いているなど、茨城の地域特性を加味することが重要。
  • 茨城の地域課題を指針の中で深く掘り下げたい。
  • 市民活動支援だけではなく、より幅広い視点を指針には盛り込むべき。
  • 「新しい公共」という言葉が浸透していないため、サブ・タイトルを付けるなどでわかりやすくすべき。
  • 精神論的に、行政、市民、企業それぞれの役割があって良い。

<目指すべき市民社会像>

  • ボランティアや寄付が広まってほしい。
  • 公共サービスの受益者となるだけではなく、地域で自ら活動を行ったり、市民活動をチェックするなど「参加する市民」を増やし、活躍の機会をつくることが新しい公共に求められる。
  • 新しい公共には「自治を取り戻す」といった意味合いもある。
  • 組織を超えて、個人として自由意思で発言、行動し、責任を取る人が増えていく社会が市民社会であり、それをけん引するのがNPO。

<新しい公共や協働の担い手>

  • 協働には行政やNPOだけではなく、様々なセクターの組織が関わる。
  • 全て民間財源で取り組むべき市民活動も存在する。
  • 公共は、「市民的公共」、「行政的公共」、「協働型公共」と分けて議論すべき。
  • 「市民的公共」にはNPOや民間企業も含まれる。NPOは新しい公共のけん引役。
  • 行政とNPOを含めた民間との協働、民間同士の協働、マルチ・ステークホルダーによる協働を全て含め、それぞれ分けて政策立案すべき。

<新しい公共推進の課題>

  • どうすれば新しい公共が茨城で定着し、拡大していくかがまだ明確ではない
  • 「公共=行政」というイメージが根強く、市民や企業が含まれにくい。「パブリック」としては?
  • NPO組織運営の専門職が必要で、人材育成が重要。活動を行うことに関心がある人に組織運営講座を開催しても、組織運営力が高まらない。
  • 地域社会に溶け込めず、孤立している人が多く存在する。
  • 個人事業主のような団体が多いため、NPOの組織力拡大が必要。
  • NPO法制定により、「個人の公益性の評価」から「組織の公益性の評価」に変わり、個人の努力が評価されなくなった。ボランティアの力がますます弱まっている。
  • 協働の成果を評価することが困難。民間の組織同士の協働は特に成果を図ることが難しい。
  • 行政には単年度会計の制限があるが、市民セクターが柔軟にできるのであれば、資金提供すべき。
  • NPOは全て無償のボランティアとの誤解があるし、NPOもボランティアを受け入れるように懐を深くしなければならない。
  • 企業と同様、NPOの中にも良い、悪いがあり、地域貢献している組織はしっかり評価すべき。

<目指すべき市民社会像に近づくための方策>

  • マルチ・ステークホルダーで地域課題解決にあたることを示すべき。
  • 市民提案制度導入や、NPOと行政の意見交換の機会を設けたり、長期行政計画策定にあたってNPOを委員に加えるべき。
  • NPO同士をネットワーク化する中間支援組織が地域ごとに必要。そのような活動を支えるため、寄付仲介やソーシャル・ファイナンスなど資金の流れをつくることが重要。
  • 指針やマニュアルが機能しているか検証し、またその内容の推進を定期的に検討する、新しい公共支援事業運営委員会のような、NPO懇談会を設置すべき。チェックするのが県民運動推進室だけにならないように体制整備すべき。
  • NPOのチェック機能が必要。

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3. 改訂版茨城県協働推進マニュアル中間案(暫定版)の内容共有と質疑応答

<マニュアルのまとめ方>

  • マニュアル作成の基本的考え方を明確にすべき。
  • NPOが何をすべきか示したい。
  • マニュアルでは、茨城のNPOのさらなる支援を意識すべき。
  • 茨城のNPOの解説は後半に位置付けて良い。
  • あまり細かく協働を定義せず、例えば「様々な主体が協力して行うこと」といったように、大まかに提示して良い。
  • これまでの議論で、マニュアルの主語は県、民間、市町村となっている。
  • NPO対象の「行政との協働における課題に関するアンケート」の結果をできる限りマニュアルや指針に反映すべき。
  • 委託した側として、行政とNPOの協働だけではなく、NPO同士の協働に活用できるものが 望ましい。
  • 目立たないが困っている人、痛みを抱えている人たちのためにマニュアルが生かされるべき。
  • 実効性があるマニュアルにすべき。
  • 文字はなるべく少なめに、伝えなければいけないことのみに絞るべき。
  • 委託などの契約方法などには踏み込むべき。
  • 想定する読み手の関心を整理することが必要。
  • 行政の協働推進体制整備の工程表を示すべき。
  • 行政とNPOの協働事例があると具体的に考えられる。
  • NPOが協働する上での課題を掲載すべき。
  • 市町村や市民団体の役割に関して、それぞれ考え方が異なるので整理するのが困難では。

<中間案(暫定版)についての意見>

  • 協働の必要性が不明確。
  • 個人が市民としてどう行動すべきか明確でない。
  • 構成は過去の協議を反映し、非常に良い。

<公共の担い手>

  • 公共の担い手は誰なのか、より明確にすべき。行政が協働するのはNPOだけではない。
  • 1999年の「21世紀日本の構想」懇談会報告書に「統治から協治へ」とあるが、「新しい公共」も行政だけではなく、NPOを含む民間の多元的なアクターが、協力して公共サービスを提供すること。
  • 公益法人改革が行われ、一般社団法人や一般財団法人も公益事業を行っているため、今回のマニュアル改定では幅を広げるべき。
  • 一般社団法人や一般財団法人以外にも、教育、医療機関、福祉施設も立派な非営利の社会貢献組織。NPO法人だけのマニュアルでは新しい公共にならない。
  • 企業も社会貢献事業を内部化しつつあり、社会を支える公益性がある存在。
  • 昔の農村社会は、市民が助け合いをしており、行政は介在しなかった。現在はその地域の力が社会情勢の中で弱まった。
  • 指針は「新しい公共」を取り上げるためマルチ・ステークホルダーとなるが、マニュアルで同様に一般社団法人や学校法人、CSRを盛り込むのは困難であり、対象を制限すべき。
  • マニュアルでもNPOを広義のNPOと定義し直した上で、NPO法人や任意団体がけん引役として重要と断るべき。また茨城の地域事情を反映すべき。
  • 民間組織同士の協働も含めると、従来のまちづくりの論議と変わらなくなり、協働推進につながらない。大切なポイントではあるので明確に整理すべき。
  • マニュアルは既存の改定であるため、行政と民間の協働推進と考えるほかない。行政が民間同士の協働推進マニュアルを策定する必要はない。
  • NPOは行政や企業が手を出せない隙間を担う。

<協働推進のための課題>

  • NPOに関する誤解が原因で、思うようにNPOが公共施設を借りられない。
  • 指定管理は時代遅れの行政コスト削減手法で、民間には馴染まない。利益追求の民間に任せると、アミューズメント性が出る。民間にできないことは行政に行わせるべき。
  • 協働を行うのには非常に時間がかかる。

<協働推進のために行うべきこと>

  • 行政職員にNPOをより知ってもらい、意見を聞いてほしい。NPOも積極的に発信すべき。
  • NPOは全て担当課に、という状況はぜひ変えたい。
  • 公共サービス受益者の満足度検証が必要。
  • 協働事業を評価し、修正する体制整備をマニュアルに盛り込むべき。
  • 行政の縦割りの弊害を超えるヨコの連携が重要。
  • 協働を行う際に、NPOと行政双方が一緒にマニュアルを読む時間が欲しい。
  • 行政施設を運営することでNPOの組織力が付く。市民を結集させる好機となりえる。

<その他>

  • NPOも困っている人を支援し過ぎて、自立意欲を損なわせてしまっている。
  • NPO関係者の間でも市民社会という言葉が使われなくなりつつあり、組織の事業性や発展性にばかり焦点が当たるようになってきている。しかし茨城の実状をマニュアルには反映するべき。

<改定の手順>

  • 中間案を県庁内で2月上旬に回覧したい。
  • 普及を考慮すると、中間で民間や市町村からも意見を拾い上げるべき。
       ⇒ マニュアル案に対しNPOの意見を聞く機会をできるだけ設ける。
  • これまでの検討内容を茨城県のウェブサイトに掲載することが前回求められたが、現在はコモンズのウェブサイトにある検討会情報のリンクを掲載している。
  • 検討会の進行管理をしっかりと行い、情報公開することで市民団体へ浸透させるべき。
  • マニュアル改定検討会委員だけではなく、指針策定検討会委員にも、事務局へ意見してほしい。
  • 次回までに、大きな柱立てにして、行政と民間の意見を受けるべき。

4. 今後のスケジュールの確認

  • 指針策定検討会は2月1日(金)、2月18日(月)のほか、予備日としていた3月21日(木)も開催することが決定した。また、2月1日(金)は午後3時半より開催することが決定した。
  • マニュアル委員会は当初予定していた2月5日(火)ではなく、2月19日(火)に開催することとした。また3月21日(木)に指針策定検討会と合同で最終回を開催することも決定した。
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